えとせとら

丘本浩一blog -こころのこりのたび-

ここには歌が残る:あとがき

終わってしまってから1週間はわりと腑抜けで、一度これを途中まで書いて下書きにしたまま寝かせていたら今日になってまた、改めて書きなおしています。

いやあ、ライブは特別でしかも自主企画なら尚更で、ずしんと重たくてするっと落とし込めなくて、ふだんの生活に帰るのに時間がかかるぐらいで丁度いいかもなあ、と今はそう思い込ませています。

 

ぼそぼそっと始めてしまいましたが、「ここには歌が残る」ご来場くださったみなさん、土井玄臣さん、panamaさん、そして会場の流流の西村さん、どうもありがとうございました。お陰様で思い通りになったことも、力不足で思い通りにならなかったことも含め、まるっきり自分のイベントだった、と思います。お付き合いくださって何かしら残るものがあったのなら本望です。

写真はほぼ撮らなかったので、文章のみで振り返りを。当日来られた方はご自身の記憶と重ね合わせてみたり、来られなかった方は想像してみたり、よければどうぞお読みください。

 

風が強い日だったけど、暑すぎず寒すぎずでそういう意味では丁度いい天気、すっかり慣れた阿倍野 流流へと続く静かな住宅街を当たり前のように通り抜けてゆく。一抹の寂しさを感じるのはこうやってあとになってからだったりする。

「おはようございます、搬入の件はややこしくなってすみません」と、西村さんに挨拶をしてから、会場のレイアウトをいつもとは少し変えて、自分のリハーサルをしていたら、土井さんがほぼ時間通りに到着。こうやって土井さんと共にライブをするのも当たり前のようでかなり特別なことなんだなあ、と、それがほぼ一日中続きました。

ちなみに前日の土井さんのツイッター上での告知はこんなでした、ヘラジカ、、(笑)

当日は、あれよあれよ、とあっという間に劇的に過ぎる春の日。

panamaさんの当時の面影がそのまま蘇るような演奏、土井さんの止まっては進むどこか問題定義のようでまたヒントのようでもあるドキッと突き刺さる演奏、とライブが続いて、改めて思ったことはその発音が好きやなあ、ということ。話し声に近いpanamaさんの日常が伝わるような平熱感と、時折低い唸りが混じる土井さんのハイトーンの独自性。おふたりの演奏、もっと聴いていたかったです。

土井さんの演奏が終わり、当日のセレクトBGMを2種類用意していたので、土井さんにどちらか選んでいただき(あまり上手く伝わっていなかったのはご愛嬌で)、「悲しく腹が立つ」か「しか」のどちらかから、「悲しく腹が立つ」になりました。

ちなみにこんな曲目↓

悲しく腹が立つ/イ・ラン
屏風浦/くるり
Never My Love/Lambchop
Balm In Gilead/Nina Simone
3:15/湯川潮音
I Like the Sunrise/Duke Ellington
Hometown Hero/Andy Shauf
稲穂/折坂悠太
Tango Till They're Sore/Madeline Peyroux
Nobody Other/Kadhja Bonet
Verde/Tuca

そうして休憩を挟んで、私は11曲、未だ完成していないアルバムのことをどこか意識した曲数で歌いました。

それとは別に、イベントタイトルとして引用した土井さんの「歌にはそれが残る」を2回歌わせてもらいました。イベント開始のオープニング挨拶の際にギター伴奏なしでひとりで独唱し、最後に再び土井さんとpanamaさんと私のギター伴奏ありで3人で合唱をしました。

当日お渡しした特典音源には3人での練習の際のそのまま(+家で少し音を足してあります)を収めてあります。当日の演奏にはコーラス部分の前に歌詞を追加してみました。これも土井さんの提案でしたが、あの日あの場所の思い出になればな、と。一部のみ公開しておきます。

いくつもの川が流れ込んだ ここで晒される心を寄せ合った

3人での演奏のあと、予想外のアンコールをいただいたので「ある春」を、その場での思いつきで初めて途中からアカペラで歌ってみました。それは良かった気がします、生身の歌で始まり終わる日になって。

ここに写る過去(懐かしい私の無料配布音源とpanamaさんの音源)と現在(土井さんの新作「針のない画鋲」)が繋がることもあったみたいで、そういう日になればな、と思っていたので、とても嬉しいです。

ライブ活動はされなくなったけど、それでも時にギターに手を伸ばし曲を作っておられるpanamaさん

ライブ活動は控えめながら、新作を出されて独自の活動を続ける土井さん

同じくライブ活動は控えめながら、なかなか作品が出せずにいる私丘本

この先どうなるかは分からないけれど、そんな3人の歌と、観ていただいた方と、そして流流の過去と現在が交差するような機会になっていたら、良かったな、と思います。今一度、ありがとうございました。

 

 

 

お世話になった阿倍野 流流が営業を終了されて、ひとつの時代が終わったよな、そしてまた何か始まるよな、とそんな境目で、

どこかこれで終わりかな、と思っていた私も、戻って次を見据えています。

初期衝動が抜け落ちたような、でも確かに初めての、そんならしくないファーストアルバム、が完成したら、また巡れそうな気がしています。気は気で大事に