1、2月
ようこそ2月、1月中に終えられたことといえば手元にあるレコード(LP)の枚数を数えること、ちょうど70枚ありました。ほとんどが60〜70年代の輝かしい音楽、大いなる遺産。作ってくれた人には勿論、捨てずに残していてくれた人にも感謝を
半年ちょっとでこの量はどうかしてるよなあ、でも楽しくはある、一番枚数多いのはたぶんデューク・エリントン、「極東組曲」の日本盤、その脂の乗り切った顔ジャケがとても印象的で音も太くてそこからハマってしまった感あります。
そうして、今きっと失われつつあるだろう豊かさを追い求めているところ
時の流れには抗えないけれど、音楽に費やすことでしか満たされない何かがあって、そういう性分には嘘がつけずこういう感じで書き連ねてしまう。
そういえば11月の自分のライブ以来、久しく足を運べていなかったライブの現場へ向かえたのも1月の収穫。ゆうきとハイラマズのショーン・オヘイガン、きっとその偏屈さが持ち味の2組だけど、生で観て聴いてこそのピュアさを感じられて良かった。
私も来月は久々のライブ、去年人知れず叩いた扉の先、どこか花開くようなことができればな
12/12
12月12日、すっかり厳しい冬、ちょうど私も丘本浩一と名乗りはじめてから12年目の年の瀬をうっかり迎えることになりました。
声を大にして言いたかった「11年目のファーストアルバム」は残念ながら見送ることになり、ほとほと無様ではあるものの、表向きは穏やかな日々でまた確かに潜む不安。そんな時にはニーナ・シモンとブロッサム・ディアリーの歌声、両極にあるようで表裏一体だとも思えるそれが共にあればなんとかなる気もする。
皆そうでしょうか、これからどうなるのかは全く予想が立たないけれど、完成するまでアルバム作りは終わらないし、飽きもせず音楽を聴き集め続けてゆくと思う。変わらないことなどないのだろうけれど、そのままに生活がある。
早いもので先月、今年最後に人前で演奏することとなった曲は、まだ見ぬ生まれくる全てのものに捧げたつもりの「生まれ」という曲でした。今年縁あってお世話になったみなさま、ありがとうございました。
新譜はあまりいらないや、と思う周期ではあるものの、12月はふと新しいものも耳に留まって胸震わすこと多い。今1曲選ぶならこのミツメの新曲、どこかクリスマスソングみたいなマジカルな響き
それでは、またそのうち。
桃epにまつわる散文〜B面
いよいよこれを書き終えたら、この夏も本格的に終わりを告げます、あくまでも自分の中での話ですが。
「桃ep」胸を張って、「どうぞ、これがバッチリ丘本浩一のやりたかったことです」とは言えないけれど、作って良かったとは思って今す。自分の作品としては久々の多重録音で、アレンジ面でこれまでして来なかったことができたし、これを作ったことで製作中のアルバムの方向性がより定まってきたので。
念のため書いておくと、「桃ep」はアルバムの予告編的なものではなくて、アルバムに至る階段・梯子みたいなものだとお考えいただけると有り難いです。それを今なんとか登ってゆけるような気がしています、秋に向けて
さて、ここからは「桃ep」後半、B面収録曲について。↓ダイジェスト1:06あたり〜
3曲目「渚に手」
2010年に発表、同じく無料配布していた「弾き語り録音集-初夏-」に収録した「渚にて」に手を加えてリメイクしました。テンポもキーも落として年をとった感じ、言葉さえもなくして、そんなバージョンです。ギターはマイクで録音せず、ライン録音のみを使用、苦労したところもあるけど、これはこれでアリの音になったと思っています。あと特筆しておきたいことは「桃ep」1〜3曲目まで同じキーです、テンポ感もずっとゆったりながら、なんとか飽きがこないよう意識してここまで作りました。
それでは、最後に4曲目「プール開き」
この曲だけ歌とギターに1本ずつマイクを立てて、弾き語りをそのまま収録しました。大村みさこさんとのデュオ「そもそもふるさとは」で作った曲で、「そもそも〜」では一度きりライブで披露したことがあるはずです。それ以降は自分のソロのライブでは夏に何度か歌っていて、夏がテーマの作品の最後に初夏を歌ったこの曲を持ってきて、出口になるように、また夏が繰り返すように、そんなイメージで収めました。歌がちょっと地味な仕上がりになってしまったのが心残り。
それでもこの夏の私の精一杯が詰まった「桃ep」
機会あれば、じっくり味わうように聴いてみてください。
ありがとうございました。さあ秋だ。
桃epにまつわる散文〜A面
9月に入ってから分かりやすく涼しくなり、こんなに夏と秋の境目がきっぱり現れるのって珍しい気がして、厳しい残暑感少ない今日この頃。
まさに夏の終わりに発表することになった「桃ep」についてもう少し書いておいて、あまりにあっさり行ってしまいそうな夏の背中を追ってみようかと思います。
以下、もう聴いていただいた方は補足的に、これから聴いてみたいという方は参考に、どちらにも当てはまらない方は暇つぶしにでも、よろしければお付き合いください。
完成したての頃はやはり作り終えた感が何よりも大きく、少し時を経て見えてきたことがあります。今回の「桃ep」はこれまでの作品とは違い、ギターと歌以外に色々な音を足してあって、それが曲そのものの骨格や魅力よりもムードや雰囲気を作り出している気がします。ある方からは「どこかアンビエント」というご感想もいただきました。いつ現れていつ消えるのかが曖昧な夏の蜃気楼のゆらめき、そんなムードを醸し出せていたらば、と思います。ここからは収録曲のことを。
まず1曲目「桃」、2分ちょっとの試聴サンプル作りました↓
去年の夏、10周年ライブを終えてからきちんと形にした最初の曲で、その準備やら何やらに追われて切羽詰まった時期の反動でしょうか、こんなゆったりとある意味ふつうの甘いことを歌った曲ができたのかな、と思います。ふつうがとくべつになれば、なんてことも込めたかったのかもしれません。自分が「桃を食べよう」なんて歌う日が来るとは思っておらず、不思議なものです。去年何度かライブで歌ったのとはちょこちょこ変えたところがあって、大きく違うのは今回の収録用に付け加えたイントロ部分、このイントロがまさに今回の作品の入り口で、「夏が来れば思い出す」そんなムードで始めてあります。それから、夏になると特に聴きたくなる、あるアメリカの偉大なバンドが1966年に出した名盤から一箇所サンプリングして使わせてもらっています。勝手ながらありがとうございます。
切れ目なく続く2曲目「取り憑かれて」
東京のバンド「ミツメ」のカバーで、4曲入りのシングル「めまい」に収録の1曲。ライブで何度か披露したことがあり、夏のけだるさに相応しいムードを持つこの曲を勝手に収めさせてもらいました。どうにもこうにもならん無常観を歌っていて、どこか腑に落ちるところがあり、違和感なく歌える曲です。意識的に揺れる音を多めに、部分的に自分としては大胆なアレンジを施せたことが今回の自然な挑戦です。1-2曲目ともにギターはマイク録音だけでなく、同録のライン録音を混ぜてあり、切れ目なく聞こえるように2曲続けて録りました。しつこいですが、切れ目なく続く、それを大事にした1-2曲目、A面です。
原曲はこちら
それでは、この辺で。〜B面に続く
桃ep [2017.9.10更新]
桃ep -demo-
1. 桃 (→サンプル試聴)
2. 取り憑かれて
3. 渚に手
4. プール開き
-ダイジェスト試聴はこちら-
『僕らはきっと夏の迷子』
ひとこと添えるならそんな感じ、夏にはどこか行きたいねえ、行ったねえ、楽しかったねえ、でも結局ここに戻ってきてしまうよなあ、みたいなムードの、夏にまつわる4曲を収録。私もこれを作っているときは、まんまと迷子さながらの状態になりました。
これまでと同じく自宅録音で最初から最後までひとりで作業に取り組みました。今作っているアルバムと同様に、今回はギターと歌以外に音を重ねに重ねてそこから削ぎ落として、この状態に落ち着きました。
去年の夏に作った「桃」を今回のためにアレンジしたのを軸に、夏によく歌いたくなる曲を並べました。どの曲も今回用の仕掛けを施してあります。ライブでは何度か歌ったことのあるミツメのカバー「取り憑かれて」はゆらゆらできるように、かつて夏には欠かさず歌っていた「渚にて」は「渚に手」になったり、「そもそもふるさとは」で一度だけ披露したことがる「プール開き」をひとりだけでおさめてみたり、今夏の感じで閉じ込めてみました。
ゆっくり腰を落ち着けて聴いてもらえるよう、テンポは遅めで、アナログEPを意識して1-2曲目がA面、3-4曲目がB面的に、それぞれのムードが持続することと、その中で入り口があって出口があるような仕上がりを意識しました。
補足的なセルフ解説はこちら↓
数量限定ではありますが、無料配布作品なので、会える方には直接お渡ししますし、郵送なども喜んでいたします。お気軽にご連絡お待ちしております。
※9月10日現在、手元にはわずかしか残っておりません。
現在、下記3店舗に置かせていただいております。数に限りがありますので、無くなっている可能性もあります、何卒ご了承ください。
(・8月31日、難波 絵本カフェ holo holo に置いていただきました。・9月2日、阿倍野 流流に置いていただきました。・9月7日、北浜 イオリ・雲州堂に置いていただきました。ご協力ありがとうございます!)
勝手ながら、夏のうちに聴いてもらえたら、よりしっくりくるのではないかと思います。
よろしければ、しばしゆっくり、桃の甘みをじっくり味わうように耳を傾けてみてください。
8月28日
目覚めてまず身体の重たさを感じる、どっと疲れが顔を出している、やあ、おはよう、久々の感覚。今日は休もう
昨日で珍しく2つ続いた久々のライブが終わり、ギリギリまで取り組んでいた誰にも頼まれていない夏の自由研究の提出を何とか間に合わせられた気分、どこかやり切った感があります。
谷町九丁目ワンドロップ、阿倍野流流でのライブ、関わってくださったみなさま、ありがとうございました。
こんな「提出物」を作りました↓
まだもう少し続きそうな夏のおともにしていただけるとありがたい、来るべきフルアルバムに向けてのプレ・デモ・音源、的な位置付けの4曲入り無料配布CD-R作品「桃ep」
繰り返すうだる夏の感じを閉じ込めた、色んな音が聞こえてくる、まったりした音像のどこか夢見心地なやつです。タイトルは、アナログ盤のEPを意識してA面2曲・B面2曲、といった感じにしてみました。
いつもそうなってしまいますが、今夏の精一杯の絞り汁、配ってゆきます。希望としては夏のうちに聴いていただきたいところです。聴いてみたいという方には何らかの形でお渡ししますので、遠慮なさらずにお伝えください!(なお、近日中にダイジェスト音源公開予定、また改めて書きます。)
今朝はその音源の出来映えを確かめようと、比較対照として「図書館」のLPレコードの特典デモCD-Rを聴きました。
ああ、生演奏の温もりが伝わる、特典デモとしては勿体無さ過ぎる一枚。
同じくデモ的な自分の音源は、ややくぐもったローファイぎみの音になってしまったけれど、これはこれでデモらしい出来映えです。
午後からは「この世界の片隅に」をGYAOで鑑賞、昂ぶりぎみの魂を鎮めようと思ったけれど、やっぱり作品力に引き込まれてしまう。ふつうの毎日の特別さよ、永遠に
あ、それから、フジロックのこと、長々と書き溜めてあって、何とか8月中には公開しようと思っています。ほぼ自分のための記録ですが。
最後に、前後しますがライブのことを少し、昨日の流流で最後に観た大津光央と屋上ワルツ、久々にしっかりと聴いたその歌声には背筋が伸びる思いでした。閉じ込めるのではなく解き放つ、歌に宿る何かがその場の空気を支配する様は、どこかトリップ感もあり素晴らしかった。
私は2日間通して、とても私そのままの演奏ができた、と思うけれど、それ以上でもそれ以下でもない、気がしていて、またどうにかしないとな、と思います。
とりあえず、次は9月と11月に演奏の機会いただいてます、引き続き気を緩めずアルバム制作にも取り組みたいところ。
それでは、また